あなたの身の回りは大丈夫?調べられて困ることないですか?例えば「人殺し」とか…?
大人気SNSを運営する会社の最終選考に集まった学生たちはみんな優秀。誰が内定をもらってもおかしくない。正々堂々と戦おう。そんなはずだったのに……
六人の噓つきな大学生 作者 あらすじ
こんにちは!おるさんです。
今日は浅倉秋成さんの「六人の噓つきな大学生」を紹介します。
映画「六人の噓つきな大学生」が2024年11月22日(金)から公開予定ですが、原作はどんな話でしょうか。結末がわかるようなネタバレはしていないので、気になればぜひ手に取ってみてください。
作者 浅倉秋成 さん
1989年、関東在住。
「ノワール・レヴナント」で第13回講談社BOX新人賞Powersを受賞しデビューされました。
あらすじ
波多野祥吾は就活生。若者に大人気のSNS運営会社、スピラリンクスの最終選考まで勝ち残りました。波多野と他5名の学生は、1ヶ月でチームを作り上げ最終選考でディスカッションし、六名全員で内定を掴み取るという目標のもと、それぞれの得意分野を共有しながら団結力を高めています。
そんな最終選考直前に届いた1通のメール。選考内容の変更連絡でした。「6名の中で誰がもっとも内定に相応しいかをみなさんで決めてください」―― 仲間だと思っていた6名が、急にライバル同士になります。
最終選考当日、議論を進めていく中でそれぞれの名前が書かれた6通の封筒が見つかります。1つを開けてみると証拠写真と共に「〇〇は人殺し」という告発文が入っていました。
残りの封筒には他5名の告発文が同封されています。六人の嘘とは?そして六人の嘘を暴いた犯人は?その目的はいったい何なのでしょうか。
登場人物
波多野祥吾 :立教大学。
勉強も運動もそつなくこなす。一歩引いて全体をみることが得意。
久賀蒼太 :慶応大学。
端正な顔つきの持ち主。六名のリーダー的な存在。
袴田亮 :明治大学。
周りの空気を和らげることがうまい。高校時代野球部キャプテン。
矢代つばさ :お茶の水女子大学。
語学堪能で様々な人脈を持つ。モデル級美人。
嶌衣織 :早稲田大学。
洞察力があり、実務能力が高い。清純派女優系美人。
森久保公彦 :一橋大学。
見た目も中身も秀才。データ分析が得意。
映画情報・キャスト
公開日
2024年11月22日(金)
キャスト
浜辺美波
赤楚衛二
佐野勇斗
山下美月
倉悠貴
西垣匠
中田青渚
木村了
渡辺大
(敬称略)
六人の嘘つきな大学生 感想
最先端のIT会社、スピラリンクス
スピラリンクスは若者を中心に爆発的な人気となっているSNS、スピラを運営しています。mixi以上、facebook以下とのこと。Xみたいな立ち位置でしょうか。
正社員数が二百人にも満たないスタートアップ企業ですが、初めての新卒総合職採用を開始します。初任給はなんと50万円。採用枠が若干名のところ、応募総数は五千人を超えていたとのこと。
初任給50万円!大人気SNSの運営会社!の謳い文句だと学生がめちゃめちゃ集まりそうです。渋谷にあるオフィスにはボードゲームをしながら会議ができるスペースもあるそう。就職活動では実際にオフィスに行って面接もしますから、よりこの会社で働きたい!という気持ちも高まりますよね。
波多野を始めとする優秀な学生たち
そんなスピラリンクスの最終選考に残った学生はみんな優秀です。高学歴でコミュニケーション能力もあり、分析能力も兼ね備えています。就活生あるあるでしょうか?黒髪にリクルートスーツ、練習されつくしてすらすら自己アピールができるところを見るとみんな優秀に見えますよね。
中でも波多野は悪いところはないけれど特出していいところもなく、こうすれば大丈夫といった手応えを感じられないと思っています。少しでも悪いところは見せないように、ただ爪痕は残したいといろいろ考えていることが彼の言動から伺えます。
傍から見るといいふうに見えているのですが、なかなか自分ではわからないものですね。人気会社の最終選考に残った学生の大学名や完璧な振る舞いにのまれてしまいそうです。
見ることができない月の裏側
本作では、そんな彼らの嘘を知ることで、お話が大きく展開します。
作中では嘘の比喩として、月の話が使われています。
「月――地球からは絶対に裏側が見えないって。それを聞いてから、意味もなく考えちゃうんだよね。月の裏側ってどんなふうなんだろうって」
六人の噓つきな大学生 Employment examination ―就職活動―
最終選考に残ったメンバーは才色兼備の超優秀な学生ばかりです。ディスカッションの準備ではそれぞれの得意を活かしていいチームを作り上げていきます。こんな彼らだからこそ、最終選考まで残ったんだろうなと感じます。
ただこれは月の表側の話。
最終選考ではそんな彼らの嘘、見えないはずの月の裏側が次々と暴露されていきます。
就職活動の面接に置き換えると、見せる必要がないものって月の裏側のように絶対見えないようにしますよね。これは就活生だけでなく企業側も同じ話です。就活生は自分のこの素晴らしい部分が御社にぴったりだと思いますとアピールし、企業はこれだけ素晴らしい会社なのでぜひみなさん来てくださいとアピールします。それぞれが思うことがあっても、お互いに見せることはありません。
入社後の不一致の話を聞くのはこの当たりが影響あるんだなと思います。面接では優秀に見えたけどそんなことなかったとか、聞いていた業務内容と違うとか、お互い本当のこと言いあってないのだからそりゃそうなるよね、という感じです。
おるさんは面接する側もされる側も経験があるので、身に覚えがありすぎる…!と思いながら読んでました。自分に都合の悪いことは言いませんし、面接する側ではあまり悪いことは言わないように指導があった覚えがあります。
最終選考から八年後に振り返るあの時の事件
本作は最終選考の八年後にあの事件を振り返ることで更に話が進みます。関係者にインタビューという形であの時を振り返り、真相が徐々に明らかに。なぜ八年も経って振り返ることになったのかも要チェックです。
インタビューでは当時優秀な学生だった彼らが現在どんなことをしているのか知ることができます。また、学生だけではなくスピラリンクスの現在や当時の人事部長のその後についても読み取ることも可能です。
最初読んだ時には八年前にスピラリンクスに入社できなかったことでこれだけ違った人生を送るのか!という感想を持ちました。今はだいぶ薄れていますが、新卒の時にどれだけいい会社に入社できるかでその後の人生変わってしまう、だから就活がんばるという風潮はありますよね。だからより嘘で固めた自分で就活に挑むんだなあと…。彼らのその後、ぜひあなたの目で確かめてください。
結局犯人って?ネタバレはしません!だけど伏線については語りたい
結局犯人が誰だったのかというのはご自身で読んで知ってほしいです!ただ随所にあった伏線については語りたい!
本作は違和感を感じる文章が何か所か見つかります。急に場面変わったなとか、深刻な顔してたのにその理由に触れられなかったなとか。その違和感、スルーしないでください!これが後々伏線として回収されていきます。気持ちいい。なぜこういう書き方なんだろう?と疑問に思いながら進めるとより楽しめると思います!
そして本作は2回読むことをおすすめします。1回目で読み終わった伏線の答え合わせが楽しめます。このシーンでは裏でこんな会話があったなと思いながら読むと、違和感に納得できるはずです。
あとは犯人の動きですね。こうやって誘導してたのかとか、させてたのかとか、これはぜひ読んでほしい!そして一緒に語りたい!(笑)
六人の嘘つきな大学生 の次に読みたい! おすすめ作品
心理ミステリーといった、次に読みたいおすすめ作品を紹介します!
十二人の死にたいこどもたち 冲方丁
十二人の自殺志願者のこどもたちが集まると、そこにはなぜか既に亡くなっている一人を発見。これは誰なのか。自殺か他殺か。このまま「事」を進めていいのか。彼らの本当の目的は?
題名を聞いてこの作品を思い出しました。
てっきり作者さんが一緒の方かと思ったら違う方でした。すみません……。
同じく心理ミステリーです。六人の噓つきな大学生がはまればこちらも楽しめると思います!
ある閉ざされた雪の山荘で 東野圭吾
ペンションに集まったのは、オーディションに合格した男女7名。豪雪で孤立した山荘での殺人劇の舞台稽古。1人また1人と消えていく仲間。はたしてこれは本当に芝居なのか?
これは芝居?それとも本当の殺人?というお話です。合わせておすすめ!
それでは次の更新でお会いしましょう!最後までご閲覧いただきありがとうございました~!
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