幼かったころ、暗くて怖かったあのとき、心の支えになってくれたあの子が殺された。
世間はあの子を嘘つきと呼ぶ。
今でも思い出せるあの白い手、指先の温度。
あの子は本当に嘘つきだった?あれからどう生きていたの?
わたしはあの子のことが知りたい、知って世間に伝えたい。
著者:湊かなえ
Kindle Unlimited:対象
Audible 聞き放題:対象
(2024年11月現在)
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落日の著者・あらすじ
著者 湊かなえさん
1973年、広島県生まれ。
2007年に「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞され、同作を収録した「告白」は週刊文集2008年ミステリーベスト10で第1位、第6回本屋大賞を受賞されています。
あらすじ
新人脚本家の甲斐真尋は映画監督の長谷部香から脚本執筆の依頼をされます。
香は次回「笹塚町一家殺害事件」を題材にしようと考えており、笹塚町出身ということから真尋に声をかけます。
「笹塚町一家殺害事件」は十五年前、引きこもりだった兄が家族を殺害した事件。
裁判も終了しており、なぜ今さら?と真尋は乗り気ではありません。
香はなぜこの事件を撮りたいと思ったのか?
事件を調査し真実に近づくことで、真尋の想いも変化していきます。
登場人物
甲斐真尋
新人の脚本家。
笹塚町出身ということで香から脚本執筆の依頼を受けるが、乗り気でない。
長谷川香
新進気鋭の映画監督。
幼いころ笹塚町に住んでいた時に沙良に助けられた経験があり、「笹塚町一家殺害事件」を通じて本当の沙良を知り、世間に伝えたいと考えている。
佐々木信吾
真尋の元カレ。制作会社勤務。
香に真尋のことを教える。
正隆
真尋の従兄で外科医。
香、千穂と幼稚園のクラスが一緒だった。
甲斐千穂。
真尋の姉。ピアニスト。
立石沙良
「笹塚町一家殺害事件」の被害者。アイドルを目指していた。
立石力輝斗
「笹塚町一家殺害事件」の犯人。引きこもり。
死刑が確定している。
落日のドラマ情報・キャスト
キャスト
長谷部香 :北川景子
甲斐真尋 :吉岡里帆
立石力輝斗 :竹内涼真
大畠凛子 :黒木瞳
立石沙良 :久保史緒里(乃木坂46)
長谷部真理 :真飛聖
神池正隆 :高橋光臣
甲斐良平 :宮川一朗太
佐々木信吾 :浜田学
甲斐千穂 :駒井蓮
長谷部裕貴 :夙川アトム
山上道也 :小林隆
森下広哉 :中村浩大(SpeciaL/ジャニーズJr.)
佐倉俊平 :松尾 龍(SpeciaL/ジャニーズJr.)
落日はどこで見れる?
2024年10月現在、落日のドラマが見ることができるのは「WOWOWオンデマンド」のみです。
WOWOWオンデマンドって?
WOWOWオンデマンドとは配信サービスのことです。WOWOWが提供しています。WOWOWに加入している人はアカウント情報の登録で追加料金なしで見ることができます。
また、WOWOWを視聴するにはBS環境が必須となりますが、WOWOWオンデマンドは配信サービスのため気にせず視聴することができます。月額は2,530円(税込)。
落日の感想
真尋と香、二人の主人公
本作は真尋の現在、香の過去と二つの目線で描かれています。
この二人は考え方が異なっており、真尋は「見たいものだけを見る、見たくないことは見なくていい・知らなくていい」、かたや香は「なぜそうなのか知りたい」という考えのため、時折意見がぶつかることもあります。
それぞれがなぜこういった考え方になったのかは作中で徐々に明らかになっていきます。
あなたは真尋と香どちらの考えに近いですか?
おるさんはどちらかというと香寄りかなと思います。
なんでそうなったの?というのがわからないともやもやする方です。知った後でやっぱり知らなきゃよかったと思うこともありますが、知らなくてよかったとは思わない気がします。
ミステリーが好きなのは多分この考え方によるもので、ごくたまにある事件の犯人がわからない小説はあまり得意ではないです。
すぐ犯人調べます。
笹塚町一家殺害事件
真尋の故郷で十五年前に起こったのがこの事件。
クリスマスの夜、引きこもりだった兄力輝斗が妹沙良を刺殺、自宅を放火し両親共に殺害したというものです。
すでに逮捕されている力輝斗は犯行を全て認めており、死刑が確定しています。
香はこの時に殺された妹の沙良がかつて自分が笹塚町に住んでいた時に自分のことを支えてくれていた子だと考え、何故あの子が殺されなくてはいけなかったのかを知りたいと思っています。
香は小さい頃、虐待にあっていました。幼稚園の時、母親から勉強がちゃんとできないと罰として夜のベランダに出されます。
その時アパートの隣に住んでおり、同じようにベランダに放置されていたのが沙良だと言います。
沙良が大きくなり殺害された後の世間の認識では沙良には虚妄癖があり、殺されても仕方ないと言われることがありましたが、香は本当の沙良がどういう人物だったのか、彼女を殺した兄力輝斗はどんな人物だったのかを知り、世間に伝えたいと考えています。
これに対してそもそも何かを知ることに意味を感じない真尋は香を理解できず、脚本の話は一度破談となりました。
暗くて怖い時に同じような境遇の子が傍にいると思うと勇気づけられそうです。
小さい時の夜、ひとりぼっちというのは相当恐ろしい経験だったと考えられますが、隣にいて安心感を与えてくれていた子が無惨にも殺され、その後嘘つき呼ばわりされていたとすると、なぜそんなふうに思われているのか?と知りたくなる気持ちもわかります。
香は映画監督として表現する場もあるため形にもできますが、おるさんだったらどうするだろう?と考えました。
今はSNSが発達しているため、Xなりブログなりで発信するのかな?でもそのために色々調べてまでやろうとするかな?と考えると、香の知りたいという気持ちの強さや行動力が高いことがわかりますね。
落日はイヤミスじゃない、湊かなえ作品
湊かなえさんといえば「イヤミス」と呼ばれる作品が多いことでも知られています。
「イヤミス」とは読み終わった後、嫌な気持ちになるミステリー作品のこと。
事件が解決してスッキリ!ではなくなんかモヤっとした気持ちになるの、あまり得意ではないので本作もちょっとどきどきしながら読んでいました。
今回のはどっち?大丈夫?やっぱり…?と正直途中までは思っていましたが、エピソード7の最終章はスッキリ終わっているので安心してください。
落日の次に読みたい!おすすめ書籍
本作にちなんで、ざっくり芸能界が舞台となるミステリーを紹介します。
Qrosの女 誉田哲也
CMに出ていたかわいい女の子の正体は?から始まるミステリー小説。
彼女は何者なのか?その後何者なのか特定できたというネット上の見知らぬ誰かから彼女を守るには?
芸能担当の週刊誌記者が主人公です。世間に出回っている情報を鵜呑みにする人たちが出てくるのも本作に通ずるところがあるかなと思いました。
著者:誉田哲也
Kindle Unlimited:対象
Audible 聞き放題:対象外
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それでは次の更新でお会いしましょう!最後までご閲覧いただきありがとうございました~!
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