動物好き、獣医師になるのが夢、獣医学に興味がある、ペットを飼ってみたい、心が暖かくなるような小説が読みたい!そんなあなたにおすすめの1冊。
引っ込み思案の獣医学生の主人公、聡里が周りに支えられながら夢に向かって頑張る、思わず応援したくなる作品です。
著者:藤岡陽子
Kindle Unlimited:対象
Audible 聞き放題:対象
(2024年11月現在)
\Audibleの登録はこちらから/
リラの花咲くけものみちの著者・あらすじ
著者 藤岡陽子さん
1971年、京都府生まれ。
2009年に「いつまでも白い羽根」でデビューされました。
Kindle Unlimited:対象
Audible 聞き放題:対象外
(2024年11月現在)
\Kindleの登録はこちらから/
あらすじ
岸本聡里は動物好きの大学生。北海道の北濃大学で獣医学を学ぶことになりました。
訳あって引きこもりだった聡里は引っ込み思案。
東京で一緒に暮らしていた祖母 牛久チドリと離れて暮らすことをとても不安に感じています。
初めての寮での共同生活では同室の子とうまくいかないこともあります。
見知らぬ地での初めての挑戦は様々な壁も。
しかし周りの人に助けられ、何より聡里自身の成長により少しずつ乗り越えていきます。
聡里は無事卒業し、獣医師になることはできるでしょうか。
登場人物
岸本聡里
大学生。
獣医学部。動物が大好きで、獣医師を目指し北海道の北濃大学に進学する。
牛久チドリ
聡里の祖母。
聡里が十五歳の時から一緒に住んでいる。
良き理解者で、聡里の夢を応援する。
梶田綾華
聡里の同室。
獣医学部。白に近い金髪の持ち主。近寄りがたい雰囲気を持つ。
久保残雪
大学生。
獣医学部。鳥好き。
静原夏菜
聡里の先輩。
入学時のあけぼの寮 寮長。
加瀬一馬
聡里、夏菜の先輩。
動物好きのフッ軽。誰にでも優しい。
岸本有紀子
聡里の母。
昔から心臓が悪く、聡里の十歳の誕生日に病気で亡くなる。
岸本孝之
聡里の父。
北濃大学は実際にあるの?モデルになった大学は?
巻末の謝辞によると、北濃大学は実際にある大学ではなく、北海道江別市にある酪農学園大学がモデルになっているようです。
リラの花咲くけものみちのドラマ情報・キャスト
放送日
2025年2月1日(土) 22:00~
キャスト
岸本 聡里 :山田杏奈
梶田 綾華 :當真あみ
久保 残雪 :萩原利久
加瀬 一馬 :佐藤寛太
久恒先生 :山崎静代
能見 正也 :甲本雅裕
静原 夏菜 :石橋静河
牛久 チドリ :風吹ジュン
(敬称略)
リラの花咲くけものみちの感想
聡里の成長
読み終わってからの感想の第一は聡里は成長したね、よかったね!に尽きます。
聡里は十歳の誕生日に母 有紀子を病気で亡くしました。
父親の孝之は小学六年生の時に会社の部下と再婚します。
再婚相手の友梨は聡里を毛嫌いし、母が生きていたときの痕跡を構わず捨てていきます。
挙げ句の果てには父が単身赴任になったとたん、飼い犬のパールを自分や産まれてくる赤ちゃんがアレルギーかもしれないから手放すように言います。
初めて聡里が拒絶すると、自身の部屋から絶対にパールを出さないようにと言いつけます。
聡里は自身がいないうちにパールが捨てられてしまうかもと思うと自宅から出られなくなり、そのまま中学時代はほぼ不登校、引きこもりになってしまいました。
そんな聡里を助けてくれたのが母方の祖母であるチドリです。
聡里の十五歳の誕生日に現状を知り、そのまま聡里を引き取って育ててくれました。
チドリは聡里の良き理解者であり、聡里もチドリのことが大好きです。
チドリからの愛情や学部の先輩たち、友人たちの助けもあり聡里は徐々に成長していきます。
特に進級してから後輩に慕われている姿を見ると本当に頑張ってよかったね…!という気持ちでいっぱいです。
それにしても聡里はなかなか行動力がありますよね。
獣医師になるために獣医学部を合格するという目標に向かって努力し合格、なんと進学先は北海道。
海も渡って東京から遠く離れた北海道へって相当な覚悟や勇気が必要な気がします。
おるさんはちょっと無理って思ってしまうかもしれません。
聡里は動物が好きっていう純粋な気持ちで怖がりながらも見知らぬ地で挑戦していく姿、ずっと応援して読んでいました。
獣医師という仕事
チドリは自分が亡くなった後の聡里を心配し、大学に行くように言います。
将来やりたいことが特になかった聡里ですが、動物が好きなこともあり獣医学部に進学を考え始めます。
そして獣医師になることを夢とし、ついに北海道の大学に通うことになりました。
作中では獣医学部で学ぶことや獣医師の仕事について知ることができます。
牛の種付けの話は聞いたことあったのですが、馬の出産の話や犬の解剖など、知らないことがたくさんあったので勉強になりました。
たとえば、供血犬ってご存知でしょうか?献血をする犬のことだそうです。
そこまで考えが及ばなかったというのが正直な感想ですが、確かに犬にも輸血が必要になることありますよね。
ただ人間とは違って献血ルームなんてありません。
そこで血を分けてくれる供血犬が必要とのこと。
供血犬になるには細かい条件をクリアする必要があるそう。知らなかった!
また、印象的だったのは獣医師は助けるだけではなく、悲しい選択をしなくてはいけないこともあるということです。
初めてそんな場面を目にし、「獣医師になりたくない」と弱音を言う聡里に、先輩の夏菜はこんなことを口にします。
「無理だと思うなら、やめたほうがいいね」
あまりに冷淡な言い方だったので、聡里は一瞬、自分に向けられた言葉とは思わなかった。でも彼女の視線はまっすぐに、聡里の顔に注がれている。
「獣医師の仕事は甘くないから……無理だと思うなら、やめたほうがいい」
リラの花咲くけものみち 第三章 ラベンダーの真意
優しい先輩に嫌われてしまったと落ち込む聡里ですが、この言葉は夏菜の経験によるものと後にわかります。
みんな助けたいという気持ちがあっても、時には片方を助けるために片方を見捨てなければならないという状況、考えてもつらいです。
動物たちは言葉でコミュニケーションが取れないため、どの方法がよりベストと知る術もありません。
様々な条件の中、冷静に判断を下し処置ができる獣医師。
強い気持ちがないとできない仕事だなと思いました。
ただ「動物が好き」という気持ちだけでは勤まらないなあと。
好きを仕事にしたいですけど、ピッタリのものってなかなか見つけられないですね。
可愛いからという理由だけでペットを飼ってはいけない
聡里は動物病院でバイトすることになります。
おるさんは動物を飼った経験がないので知らなかったのですが、動物病院は自由診療なんですね。
医療費は全額支払わなくてはいけないため、ペット保険の需要が高まっているそう。
保険によっても補償割合や限度額が異なるため確認事項もたくさんありそうです。
この話を読んで思ったのは、可愛いからという理由だけでペットは飼っちゃいけない。
命を飼うことになるのだから、エサ代や万が一の治療費等、どれくらいの費用がかかるのか?
最期まで看ることができるか?
考えなければいけないことがたくさんありますね。
ペットのことを家族という人がいること、納得できました。
北海道の動物や花々。リラってどういう意味?
獣医師を目指す話なので様々な動物が登場します。
鳥好きの残雪もいます。
珍しい名前ですよね。名前の由来はぜひ本編で。
また、章ごとそれぞれに花の話が出てきます。
どういった花かや花言葉が、物語に合わせて紹介されます。
書籍の題名にもあるリラはフランス語でライラックの花を指します。
札幌ではライラックまつりというものがあるそうですね。
聡里が歩くリラの花咲くけものみちはどんなみちだったのでしょう。
ぜひ手に取ってみてください。
リラの花咲くけものみちの次に読みたい!おすすめ書籍
リラの花咲くけものみちにちなんで、ヒューマンストーリー好きにおすすめな心が暖かくなるような書籍を紹介します。
アイミタガイ 中條てい
定刻の王
いつも同じ時間、同じ車両を利用する「定刻の王」。
そんな彼が珍しく居眠りをしている。もうすぐ彼の降りる駅に到着する。
毎朝見かけるだけの関係の彼を起こす?放っておく?どうしたらいいんだ!
五篇の短編集です。ただ最後まで読むと、少しずつお話が繋がります。
誰かに優しくできる、そんな気持ちにしてくれる作品です。
著者:中條てい
Kindle Unlimited:対象
Audible 聞き放題:対象外
(2024年11月現在)
それでは次の更新でお会いしましょう!最後までご閲覧いただきありがとうございました~!
よければフォローよろしくお願いいたします!↓