こんにちは!おるさんです!
今日は伊与原新さんの宙わたる教室について紹介します。令和6年度の課題図書にもなったそうですね!
窪田正孝さん主演、「宙わたる教室」が2024年の秋ドラマとして10月8日(火)22:00~から放送されていますが、原作はどんな話でしょうか。
内容がわかるようなネタバレはしていないので、気になればぜひ読んでみてください。
宙わたる教室の作者は?どんな話?
作者は伊与原新さん。2010年に「お台場アイランドベイビー」で第30回横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビューされました。
あらすじ
舞台は東京の新宿にある東新宿高校定時制クラス。このクラスには様々な年齢、事情を抱えた生徒たちが通っています。不良の柳田岳人や「ママ」と呼ばれる日比ハーフの越川アンジェラ、最年長で「長老」と呼ばれている長嶺省造などがいる二年生のクラスは、1年生の時の担任の佐藤先生が休職してしまったため新しく藤竹先生が担任となります。藤竹先生は一部数学も受け持っていますが理科担当で、高校に科学部を立ち上げます。科学部の部員たちは様々な実験を行う中で「火星のクレーター」を再現する実験を始めますが、自身の環境の問題や縁を切ることができない人間関係などで実験を続けることが難しくなります。部員たちは実験を完成させることができるでしょうか。
また藤竹先生もある実験のため科学部を立ち上げましたが、それはどのような実験で、どんな意味があるのでしょうか。
モデルになった高校はあるの?実話って本当?
あとがきによると、この作品は実際に大阪の定時制高校で滑車を使った手作り装置による研究について聞いたことがきっかけで生まれたそう。モデルとなった高校の科学部を指導していた3名の教師が記載されています。
・久好圭治さん(現・大阪大学特任研究員)
・谷口真基さん(現・今宮工科高等学校定時制教諭)
・江菅純一さん(現・槻の木高等学校教諭)
ドラマ情報・キャスト
登場人物・キャスト
藤竹叶 :窪田 正孝
柳田岳人 :小林 虎之介
名取佳純 :伊東 蒼
越川アンジェラ :ガウ
木内泉水 :田中 哲司
佐久間理央 :木村 文乃
相澤努 :中村 蒼
長嶺省造 :イッセー 尾形
庄司麻衣 :紺野 彩夏
三浦孔太 :仲野 温
朴大成 :阿佐 辰美
金井悠 :佐久本 宝
池本マリ :山﨑 七海
(敬称略)
印象に残ったシーン
何かをあきらめた経験
あなたは何かをあきらめた経験はありますか?
大なり小なり、何かしら思い当たることはあるのではないでしょうか。時間的なことであったり、金銭的なことであったり、身体的なことであったりと、すべてを選ぶことは難しく感じます。またそんな機会が多ければ、あきらめることに慣れてしまうことも考えられます。
本作では何かをあきらめたことがあるかという質問に対して、こんな返答がされています。
人生において何かを選ぶということは、選ばなかったほうをあきらめるということですから。ただしそれは、その時点での話です。そのとき選ばなかったものを、後で選ぶことはできる。命ある限りは
宙わたる教室 第六章 恐竜少年の仮説より
この後あきらめたことがあるかと尋ねた人物の返答もあるのですがそれはいったん置いておいて。
人って一日に平均二万回は何かを選択しているそうです。無意識のものも含まれますが、結構な数ですよね。知らずに選択して、選ばなかった方はぽろぽろとこぼしてしまっているのかもしれません。
この話のたとえでは無意識の選択ではなく、自身の強い思いによる選択についてのセリフになります。学生時代の就職するか進学するかであったり、進学するならどの学校にするかといったことですね。どの授業を選択するのか、どの部活に入るのかなんかもそうでしょうか。それぞれ選んだ中で、選んでない選択肢はあきらめたことになるということです。就職してもどの会社に就職するかだとかどんな仕事をするか、昇格・昇給するか、転職するかしないかなども何かを選択することになりますね。
振り返っても難しいことはありますが、ただ学びなおすことはできたり、気になる仕事に挑戦することができたりと、何から何まであきらめることはないのかなと思いました。前にこちらの道を選んだけれど、あの時選ばなかった別の道に挑戦してみようと思う気持ちがあってもいいのかなと。
おるさんは毎年新しく手帳を買うとその年にやりたいことを100個書くことを続けているのですが、年末に振り返ると1年前にはやりたいと思っていたことでも1年通して結果やらなかったことが結構あります。なんでできなかったんだろうとものによってはへこむこともありますが、またあとで選ぶことはできるんだなと思えたので、今後はポジティブに考えて来年にできることじゃん!と思えそうです。
この本のここが好き!
キッチン地球科学
あなたは空が青い理由を説明できますか?火星の夕焼けは青いって知っていますか?
科学部、また宇宙に関する実験ということもあり、たびたびそんな話題が出てきます。ただ言葉で説明されても…と思う中で、とっつきやすいようになっていると感じたのが「キッチン地球科学」です。
言葉の通り台所でできる地球科学のことを言います。身近なものを使って地球や惑星で起こっている現象を理解するための仕組みだそうで、これが物理が苦手でも想像しやすい!
作中では様々な実験をしてくれます。頭の中で想像しながら読み進めるのが面白いです。これはドラマで映像化されたらより楽しめそうですね!個性ある定時制部員がいるおかげで様々なアイデアを組み合わせてより良い実験にしていく過程も楽しめます。
誰だって何かを生み出せる
定時制の科学部の生徒は「火星のクレーター」を再現実験を行い、最終的には大会での発表を目指します。一般的にはそれだけ聞くと「定時制の生徒がなぜそんなことを?」と思われるかもしれません。
この作品は実際に大阪の定時制高校で滑車を使った手作り装置による研究があったことを聞いたことがきっかけで生まれたそうです。何かを生み出すことって何かしらのきっかけがあれば、形にすることができることもあるんだなと少し前向きな気持ちになれました。
まとめ
今回は伊与原新さんの宙わたる教室について紹介しました。
実験シーンが多いこの作品は、ドラマと一緒に楽しめるかなと思いますのでぜひチェックしてみてください!
個人的には実験シーンの想像で頭の中の再現に時間を使うのと、少しほろりとしたのでお時間のある時に読まれるのをおすすめします!
それでは次の更新でお会いしましょう!最後までご閲覧ありがとうございました~!